パンテラを語るうえで欠かせないのが、そのデザイナーであるヴァーナー・パントン（Verner Panton）。1926年にデンマークで生まれ、ミッドセンチュリー期を代表するデザイナーのひとりです。パントンといえば、曲線を活かした大胆で革新的なデザインや、鮮やかな色使いで知られています。特に1960～70年代には、近未来的でユニークな空間提案が注目され、家具、照明、インテリア全般にわたり多彩な作品を残しました。
そんな彼が1971年にデザインしたのが「パンテラ」。パントンにしては控えめとも言えるこの照明は、彼がこだわった“光の質”と“機能美”が見事に結びついた名作です。パンテラの特徴である丸みを帯びたシルエットも、実は彼ならではの思想のあらわれ。光を均等に広げるためのフォルムでありながら、空間にやわらかくなじむ愛らしさも併せ持っています。実験的で自由な発想を貫いたパントンですが、パンテラには、その中にある「暮らしへのまなざし」や「人が心地よく感じるかたち」への深い配慮が感じられます。

素材の違いによっても、その印象は大きく変わります。

光を透過するためシェード全体がやわらかく発光する、アクリル製のオパールタイプのシェードは、まるで灯りそのものが浮かんでいるかのような幻想的な雰囲気を生み出します。部屋全体を包み込むような、やさしくてあたたかい光が特長です。光源が直接見えない設計とアクリル素材のやわらかな拡散性によって、目にやさしい灯りを実現。長時間過ごすリビングやベッドサイドにも心地よくなじみ、日々の暮らしに静かなぬくもりを添えてくれます。
一方、金属製のオペークタイプのシェードは光を透過せず、下方向に向かって光を集中的に届けます。より引き締まった印象で、デスクライトやアクセント照明として使いたい方におすすめです。 反射する塗装の美しさや、素材そのものの重厚感を楽しめるのも魅力のひとつ。

同じフォルムながら、素材の違いでまったく異なる表情を見せてくれるパンテラ。 空間の雰囲気や使い方に合わせて、ぴったりの一灯を選ぶ楽しみも、パンテラならではの魅力です。

■ベッドルームには、やさしい光のテーブルランプを。

ベッドサイドに灯る小さな明かりは、読書を楽しむための実用的な役割はもちろん、一日の終わりにふっと肩の力を抜くための“おまじない”のような存在でもあります。 手元を照らすだけでなく、部屋全体にほのかに広がるその光が、心までふんわりとほどけていくような感覚をもたらしてくれるのです。 とくに、パンテラのようなやわらかなフォルムと拡散する光を持つランプは、寝る前のひとときを穏やかに包み込み、まるで静かな音楽が流れているかのような落ち着きを演出します。 明かりを灯すたびに、今日一日がんばった自分をそっとねぎらうような、やさしい時間がはじまる──そんなルーティンが、日常の中にあることの豊かさを教えてくれます。 そして何より、目に入るたびにどこかあたたかい気持ちにさせてくれる、ランプ自体の佇まいも魅力のひとつ。可愛らしさと美しさを兼ね備えたデザインは、眠る前の空間にほっとした安心感を添えてくれます。 心をほどいてくれる明かりが、毎日の終わりに、やさしい彩りを添えてくれることでしょう。

■書斎やワークスペースには、金属製シェードのパンテラを。

集中したいとき、静かに自分と向き合いたいとき──そんなひとときを支えてくれるのが、金属製シェードのパンテラです。真鍮やクロームといった金属特有の質感は、手元をしっかり照らす機能性を備えながらも、空間に程よい緊張感を与えてくれます。無駄のないフォルムと引き締まった存在感が、すっきりとした印象をもたらし、ワークスペース全体をスマートに整えてくれるのです。光の広がり方も、金属製ならではの特長があります。柔らかく全体を包み込むというよりは、必要な場所にだけしっかりと明かりを落とす。まるで、自分の意識を自然と“今ここ”に向けさせてくれるような、そんな照らし方です。余計なものに気を取られず、目の前の作業に没頭できる──そんな静かな集中の空気をつくってくれます。そして、上質な素材感が醸し出す品のある佇まいも魅力のひとつ。インテリアに馴染みながら、ほどよく個性を主張するその姿は、日々の作業の中でもちょっとした高揚感や特別感をもたらしてくれるはずです。 ただの照明以上に、気持ちを切り替えるスイッチのような存在として。金属製パンテラは、静かにあなたの集中力を後押ししてくれる、頼れるパートナーとなってくれます。

■自由に持ち運べる、ポータブルタイプのパンテラ。

パンテラの魅力を、さらに身近に、もっと自由に楽しめるのが、コードレスのポータブルタイプ。コンセントの位置に縛られることなく、好きな場所へ気軽に持ち運べるのが大きな魅力です。ダイニングで過ごす家族との夕食時間に、玄関先でほっと一息つく帰宅の瞬間に、あるいは休日のバルコニーで楽しむお茶の時間に──。そのときどきの気分やシーンに寄り添って、心地よい灯りを添えてくれます。まるでキャンドルのように、さりげなくその場の空気をやわらかく包み込むパンテラの光は、どこに置いても特別なひとときに変えてくれる不思議な力があります。必要な明るさを確保しつつも、まぶしさを感じさせないその照らし方は、昼夜問わず活躍。食卓やベッドサイド、玄関、デスク、屋外スペースなど、日常のあらゆる場面で活躍します。

■やさしく寄り添う「ホワイト」

定番のホワイトは、パンテラらしいミニマルでモダンなフォルムを、最もナチュラルに引き立ててくれるカラー。やわらかな乳白色のシェードから広がる光は、空間全体をやさしく包み込み、まるで北欧の穏やかな午後のような、静かで心地よい時間を演出してくれます。 どんなスタイルのインテリアにも自然と馴染み、デスク、ベッドサイド、リビング──どこに置いてもすっと溶け込む。毎日の暮らしにそっと寄り添う、まさに「万能の一台」です。

■アートピースのような「金属系カラー」

真鍮やクローム（シルバー）など、金属的な質感のモデルは、パンテラのシンプルなデザインに奥行きと緊張感をもたらします。滑らかな曲線に光が反射し、見る角度によって表情を変えるその姿は、まるでオブジェのよう。明かりを灯していない時でさえ、そこにあるだけで存在感を放ち、空間に上質な雰囲気を添えてくれます。無機質でスタイリッシュなのに、どこか温かみもある──そんな絶妙なバランスが、パンテラの「光」と「素材」の美しいコントラストを際立たせます。モダンアートのような感覚で取り入れたくなる、洗練された一台です。

■遊び心をくすぐる「カラーモデル」

コンパクトな〈パンテラ 250 テーブル〉や〈パンテラ 160 ポータブル〉には、ホワイトや金属カラーに加え、カラフルなモデルも豊富に展開されています。 2025年5月には、新たにオペークのモスグリーンとバーガンディー2色が仲間入り。どちらも落ち着きがありながら個性を感じさせる、絶妙な色合いです。カラーモデルは、季節や気分で選ぶ楽しさがあるのが魅力。ベーシックな空間にアクセントとして取り入れたり、推し色やインテリアのテーマカラーに合わせてコーディネートしたり。小ぶりなサイズ感だからこそ、色で遊ぶ面白さがより際立ちます。